2424　紳士用　アンサンブル

東京八王子のウールのアンサンブルです。

遠目には黒に近い紺に見えると思います。

決まりきった色の様ですが、織糸の色を各種組み合わせて同じ紺色でも微妙な変化を付けて織られています。

紺色のヨコ糸と茶系のタテ糸を使用して、わずかに白糸のヨコ糸で細かな四角形を紋織りで表現した紬の地風のウール製品です。

茶系の糸の密度の高い個所は他の地に比べ、シミの様に見えるかもしれませんが、シミではなく、角度による光線の具合や茶色の糸の浮きによるものです。（写真7枚目）

50年程前（昭和40年代）、京都の呉服卸の丁稚時代に初めて触ったウールの着物です。

月に何度か、太巻きの反物28反入りの段ボール箱が、10個ほど入荷してきたのを、担いで2階へ運んだのが原因で腰を痛め、病院通いをしたことを思い出します。

当時は、それ程人気の有ったアンサンブルです。

ウールの着物は単衣仕立てでも暖かく、ドライクリーニングが可能。
さらに、しわになり難いことやミシンで仕立てることができる等々、多くの利点をうたい文句に全国で人気を集めるようになった経緯があります。

最近、京都市内に出かけますと、若い男性の着物姿を新しいファション感覚でお召しになっているのを見かけます。

たとえ古い着物でも、それなりに個性を強く主張する昨今の感覚では、どんな個性的な洋装より強くおしゃれな個性を感じる事が出来ます

紳士用の着物は女性用の着物に比べ色彩の数が大変少なく、紺系、黒系、茶系、緑系、鼠色系が主流を占めています。

このアンサンブルは、その中で生地に変化を付けた織物です。


着物羽織ともポリエステルの肩当てを付け、着物はセブ背を付けて背縫いしています。

寸法（単位㎝）
身丈（背）146　裄66.5　袖巾33　袖丈50.5　後巾29.5　前巾24

羽織丈88　裄67　

右後身頃に小穴があります。（写真5,6,9,10枚目、6枚目、裏側から透かしての写真です）

シミ、汚れ、キズ等は出来る限りチェックしておりますが、見落としのある場合もございます。ご理解の程、お願いいたします。

デジカメの画像です。カメラやスマホそしてパソコン等によって、色の違いがでることがありますので、ご了承下さい。

着物と羽織の他、撮影に使用しましたナイロンの兵児帯や羽織紐を付けておきます。
いずれも中古品です。

商品の情報